燃料電池とは、水素と酸素を化学反応させて、電気を発電する装置です。ここではFCの基本的な仕組みを解説するとともに、その主な用途である定置用燃料電池と燃料電池自動車を紹介します。
定置用燃料電池は、建物や施設に電力や熱を供給するための装置で、設置場所によって、家庭用燃料電池と業務用・産業用燃料電池に分かれます。
FCVは、エンジンの代わりに燃料電池を、ガソリンタンクやディーゼルタンクの代わりに水素タンクを搭載しており、燃料電池が発電した電力でモーターを駆動させて走ります。
FCとは
燃料電池は英語では「Fuel Cell(FC)」といい、これが「燃料電池」と訳されましたが、乾電池や蓄電池のように、電気を溜める装置ではありません。
- 燃料電池は水素と酸素を反応させて電気を取り出す装置です
- 蓄電池と異なり、長い時間連続して電気を取り出すことが可能です
家庭用燃料電池と業務用・産業用燃料電池
燃料電池は小型でも大規模な発電所と同等の高効率の発電が可能なことから、省エネ性に優れた需要地での分散型発電設備として開発・実用化が進められ、住宅(家庭用)や店舗・ビル・工場(業務・産業用)等での普及が始まっています。
日本は世界に先駆けて、家庭用燃料電池「エネファーム」を2009年に商用化しました。2017年には業務用・産業用燃料電池の普及も始まっています。
- 2009年に日本は世界で初めて家庭用燃料電池を実用化しました。エネファームは家庭用燃料電池の共通ブランドです
- 2021年3月末時点で35万台が普及しています
- 2017年から、業務用・産業用燃料電池の普及も始まりました
FCVとは
FCVがガソリン車やディーゼル車とどう違うのか、その理由とメリットについて、ハイブリット車(HV)や電気自動車(EV)などとの比較もあわせて紹介します。
- FCVはモーターで走行する点では電気自動車(EV)と同じです
- FCVは乗用車だけではなく、バスも商用車の運行が始まっています
- 自動車でも、水素を漏らさない、水素が漏れた際には素早く検知する、漏れた水素は溜めない、の3原則が守られています