広く素材として利用されてきた水素ですが、最近では水素からエネルギーを取り出して、電源や熱源として利用することが注目されています。
水素をエネルギーとして使うためにも、まず水素を製造し、目的地まで輸送し、貯蔵する必要があります。ここでは水素を作り出してから使うまでにどのような技術が使われているかを紹介します。
製造
水素は水や天然ガスなど、さまざまなものから製造されています。
水素の製造技術を大きく分類すると、以下の4種類になります。
- 水を電気分解する
- 天然ガスなど、化石燃料から作り出す
- 森林資源や廃材などのバイオマスから作り出す
- 製鉄所などの工場で発生するガスから副産物として生じる水素を分離する
現状では、主に天然ガスなどの化石燃料から製造されています。経済性があり、FCVに利用した場合にはガソリン車に比べてCO2排出量が削減できます。
将来は、再生可能エネルギーで水素を作ったり、化石燃料から水素を製造してもCO2を回収・貯蔵して大気中に排出しないようにすることが計画されています。
輸送
次に、製造された水素を使う場所まで輸送する必要があります。
水素輸送技術を大きく分類すると、以下の4種類になります。
- 高圧で圧縮して運ぶ
- 低温で液化して運ぶ
- パイプラインで運ぶ
- 他の物質に変換して運ぶ
貯蔵
ほとんどの場合、輸送された水素をすぐ使い切るわけではありません。ここでは、水素を貯蔵するさまざまな方法を紹介します。
水素貯蔵技術を大きく分類すると、以下の4種類になります。
- 高圧で圧縮して貯蔵
- 低温で液化して貯蔵
- 金属などに吸蔵・吸着させて貯蔵
- 他の物質に変換して貯蔵
利用
水素は自動車の燃料や家庭の熱源や電源のほか、産業用発電などさまざまな使用方法があります。ここでは、さまざまな水素のエネルギー利用方法を紹介します。
水素利用技術を大きく分類すると、以下の2種類になります。
- 燃料電池で発電させて使う(FCVやエネファームなど)
- 水素を燃やして使う(水素発電など)